国民皆保険が機能していない社会で、臓器の値段はまさに「命の選別」を意味する。貧富の差が治療の可否を直撃するアメリカの医療崩壊を克明に描いた名作が、映画『ジョンQ 最後の決断』だ。心臓移植を必要とする我が子のために、病院を占拠してまで手術を要求する父親の姿は、多くの観客の胸を締め付けた。
近年ではNetflixなどのストリーミングサービスで、世界各国の医療格差やアンダーグラウンドビジネスを暴くドキュメンタリーが数多く配信されている。また、NHKオンデマンドでも日本の透析医療や移植医療の苦悩に迫る調査報道アーカイブが視聴可能だ。フィクションとノンフィクションの境界を越えて、メディアは一貫して「医療がビジネスと化したときに誰が犠牲になるのか」を問い続けている。