ブックアンドベッド東京新宿の現在と閉店理由|泊まれる本屋の真相

ブックアンドベッド東京新宿の現在と閉店理由|泊まれる本屋の真相

ブックアンドベッド東京新宿の現在と閉店理由|泊まれる本屋の真相を詳しくリサーチ! 知っておきたい トピックの裏側を凝縮して配信します。

同店を語る上で欠かせないのが、徹底したモノトーン戦略です。BOOK AND BED TOKYO 新宿 カフェメニューは、「黒」をテーマに据えたブラックラテや、竹炭を練り込んだ漆黒のトーストサンドなど、徹底的に視覚的なインパクトを追求していました。この戦略はInstagramを中心とするビジュアルSNSで見事に的中し、宿泊客以外の若年層を大量に呼び込みました。

また、BOOK AND BED TOKYO デイユース料金は1時間ごとの時間制プランを設けており、歌舞伎町で手軽に滞在できるサードプレイスとしての機能も持たせていました。当時のスペックと収益モデルを、一般的な宿泊施設やコワーキングスペースと比較したデータが以下の通りです。

項目詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価宿泊料金(1泊)約5,300円〜7,000円(スタンダード)3,000円〜4,500円(カプセルホテル)世界観によるブランド料が上乗せされており、割高感は否めなかった。デイユース利用料1時間あたり約540円〜 / フリー約1,600円〜1時間300円〜500円(ネットカフェ等)カフェ需要と作業需要を上手く取り込み、昼間の客足確保に寄与した。カフェメニュー単価ブラックラテ:約630円 / フード:約700円前後コーヒー1杯:約400円〜550円竹炭素材による差別化で粗利率は高かったが、滞在時間が長く回転率は低調。立地・アクセス条件西武新宿駅徒歩1分、JR新宿駅東口徒歩約6分駅徒歩5分圏内ブックアンドベッド 歌舞伎町 アクセスは抜群だったが、繁華街中心ゆえの坪単価の高さが固定費を圧迫。蔵書数と空間効率約2,500冊 / ベッド数約55床ブックカフェ:数千〜1万冊選書集団「SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS」のセレクトは見事だったが、収益を生む床面積が削られていた。

数字が示す通り、空間の美しさとSNS受けを最優先した結果、賃料の高い歌舞伎町において「長居するカフェ客」と「単価の割に防音設備の乏しいベッド」という、収益性と顧客満足度のアンバランスさが徐々に経営体力を奪っていったことが確認できます。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。