「手へんのつく漢字は全体で何種類あるのか」という疑問を持つ方は少なくありません。漢字辞典の基礎分類である「手部(しゅぶ)」全体で見ると、異体字を含めて914字が存在します。その中で文字の左側に配置される「扌(てへん)」を持つ漢字は、常用漢字だけでも約60字、JIS第1水準・第2水準を合わせると200字を超えます。
部首としての「扌」の成り立ちは、人間の手首から指先までの骨格と筋をかたどった象形文字である「手」に由来します。漢字の左側に配置されて「へん」になる際、右側のつくり(旁)のスペースを確保するために縦長のスマートな形状へと変化しました。これが手へん扌の成り立ちの基本原理です。
手へんが持つ根本的な意味は、すべて「手を使った人間の能動的なアクション」に集約されます。物を握る「持」、打撃を与える「打」、引っ張る「引(弓部)」に対する「拉・抽」、選び出す「択」など、物理的な手の動作から抽象的な心理・知的意思決定の動作へと意味が派生しています。