あまりの拡散スピードと完璧なビジュアルゆえに、ネット上では長年にわたって「大手広告代理店が仕掛けたステマ(ステルスマーケティング)だったのではないか」「作られた奇跡ではないか」という疑惑が囁かれることもありました。しかし、当時の関係者取材や事実関係を精査すると、これらの噂は明確な誤解であることがわかります。
第一に、当時の所属事務所「アクティブハカタ」は福岡の老舗ローカル芸能プロダクションであり、全国規模の広告代理店を動かしてサーバーを落とすような大掛かりな仕掛けを打つ資本力やコネクションは持っていませんでした。事実、アクセス集中でサイトが数日間にわたり閲覧不能に陥った際、事務所側はメディア取材の電話対応だけで完全にパンク状態に陥っていました。
第二に、彼女は「奇跡の一枚」で突然発掘された素人ではありませんでした。小学3年生(当時8歳)の時点で自ら芸能界を志して事務所に入り、是枝裕和監督の映画『奇跡』(2011年公開)に出演を果たすなど、地道な下積みを重ねていたプロの子役・タレントでした。
「運だけで一夜にしてスターになったシンデレラ」という物語は世間受けしやすいものの、実態は小学3年生から培ってきた基礎訓練と現場経験が、14歳の春にたまたま写真という形で可視化されたに過ぎません。この事実を見落とすと、彼女がなぜ一発屋で終わらずに現在まで生き残れたのかという本質を見誤ることになります。