マヒトゥ・ザ・ピーポーを語る上で欠かせないのが、GEZANのトレードマークである「全身を深紅で統一したスタイル」と、彼らが主催するオルタナティブフェス「全感覚祭」です。
メンバー全員が赤一色の衣装を纏うようになったのは、2010年代半ばからのこと。単なる奇抜なコスチュームではなく、血の色であり、生命の原初的なエネルギーであり、あらゆる境界線を溶かし合わせる象徴としての「赤」です。過去のインタビュー取材において彼は、「赤は誰もが体内に持っている色。記号化された日常から個を解き放ち、ひとつの大きなうねりを作るための意志」といった趣旨の言葉を語っています。
また、彼が主宰するレーベル「十三月」が手掛ける「全感覚祭」は、音楽業界の商業主義に対する鮮烈なオルタナティブとして知られています。「入場無料・投げ銭制」「フードもフリーカルチャー(投げ銭)」という前代未聞のシステムを導入し、東京や大阪、堺の臨海部などで開催を重ねてきました。
経済的な格差や資本の論理に関わらず、すべての人が等しく表現に触れられる空間を作りたいという彼の思想は、単なるミュージシャンの枠を完全に超え、カルチャーを通じたソーシャルアクションとして多くの若者やクリエイターを惹きつけています。