現地を訪れる際に知っておくべきは、和歌山独自の飲食カルチャーとピークタイムの混雑動態です。特に休日や連休中の井出商店などでは、30分〜60分以上の待ち時間が発生することが珍しくありません。回転自体は比較的早いものの、炎天下や厳冬期に並ぶ際は事前の準備が欠かせません。
暖簾をくぐり席に着くと、テーブルの上に緑色の包み紙に巻かれた「早すし」(鯖の押し寿司)や巻き寿司、そして殻付きの「ゆで卵」が無造作に置かれています。これは注文制ではなく、ラーメンが着丼するまでの間に客が自由に手に取って食べる自己申告制のセルフサービスです。
酢で締められた早すしの程よい酸味と脂の乗った鯖の旨味は、濃厚な豚骨醤油スープの合間に挟むことで舌をリセットし、中華そばのコクを何倍にも引き立てます。会計時に「そば1杯、すし2個、卵1個」と自己申告して精算するのが、和歌山で長年受け継がれてきた粋な注文作法です。