大手レシピサイトの相談掲示板やSNSでは、良かれと思って施した下処理が仇となった悲痛な声が後を絶ちません。
「筑前煮を作ったら、レンコンだけ妙にツンとした酸味が残って家族に不評だった」「きんぴらをシャキシャキにしようと30分酢水に放置したら、炒めてもパサパサで味が乗らなかった」といった失敗談は典型的な事例です。これらはすべて酢水への浸けすぎ注意点を軽視した結果生じています。
日本調理科学会の実験データ等でも示されている通り、野菜を水溶液に長時間浸すと、浸透圧と細胞膜の破壊によって内部のレンコンのポリフェノールと栄養、とりわけ水溶性ビタミンであるビタミンCが激しく流出します。レンコンはレモンに匹敵するほどの豊富なビタミンCを誇りますが、10分以上水に晒すだけでその残存率は目に見えて低下します。
また、調理中に「レンコンのアク抜き酢がない場合」に直面し、作業を止めて買いに走る人もいますが、その必要はまったくありません。レモン汁を数滴垂らすか、あるいは少量の食塩を溶かした塩水(0.5%程度)に浸けるだけで、酵素の酸化を十分にブロックできます。手元に何もない場合は、真水に潜らせて表面のデンプンを洗い流すだけで十分です。