『妖怪ウォッチ』に登場する「かたのり小僧」は、頭に一本角を生やし、いたずらっぽく舌を出した小鬼のような風貌をしています。作中ではプリチー族のDランク妖怪として設定されており、人々の肩にしがみついてはツボを狂わせ、激しい肩こりを引き起こす迷惑な存在として描かれています。
このキャラクター造形の背景には、日本全国に伝わる怪異の存在があります。古来、原因不明の疲労感や肩の重み、歩行中に突然背中が重くなる現象は「肩のり小僧」や「肩掛け小僧」「子泣き爺」といった民間伝承の妖怪の仕業と解釈されてきました。民俗学的な文献を紐解くと、これらは過酷な肉体労働や長旅による筋肉疲労、あるいは精神的ストレスを「異界の小鬼が取り憑いた」と擬人化することで、心身の休息を促す生活の知恵から生まれた怪異であることが分かります。
レベルファイブの開発チームは、この古典的な民間信仰を巧みに現代風へ翻案しました。「デスクワーク疲れ」という現代人が直面する共通の悩みをキャッチーなキャラクターへと昇華させた点が、プレイヤーに強い親近感とリアリティを抱かせる要因となっています。