退職の合意が形成された後、正式な事務処理として提出する退職届(または事前に提出する退職願)の作成マナーを整理します。
手書きかパソコンか?用紙と筆記具のルール
退職届の書き方(手書き・パソコン)については、現在ではどちらを用いても法的な効力に差はありません。社内フォーマットが用意されている企業や、クラウド人事システム上で申請を完結させる企業も増えています。
ただし、個別に紙で提出する場合は、白無地の用紙(B5またはA4サイズ、一般的なコピー用紙で可)を使用します。手書きの場合は黒の油性ボールペンまたは万年筆を用い、消せるボールペンは改ざん防止の観点から絶対に使用してはなりません。縦書きが日本古来の伝統的なフォーマットですが、パソコンで横書き作成しても構いません。重要なのは、自身の署名・捺印を確実に行うことです。
【一身上の都合の理由記入例(退職届・縦書きの標準文面)】 私儀(または「私事」、行末に小さく配置)
このたび、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。
令和〇年〇月〇日(提出日)
〇〇部〇〇課 氏名 ㊞
株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長 〇〇 〇〇 殿
退職願とする場合は、末尾を「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」とし、退職希望日を記載します。宛名は必ず会社の最高責任者(代表取締役社長など)の氏名を書き、自分の名前より上部に配置するのが敬意を示すルールです。
封筒の選び方と入れ方の所法
退職届の封筒の選び方と入れ方にも、最低限押さえておくべき作法があります。
- 封筒の選び方:中身が透けない「白無地」の二重封筒を選びます。茶封筒は事務書類用とみなされるため慶弔や進退伺いには適しません。また、郵便番号枠が印刷されていない無地のものを用意します。用紙がB5なら「長形4号」、A4なら「長形3号」がジャストサイズです。
- 表書きと裏書き:表面の中央に少し大きめの文字で「退職届」(または「退職願」)と書きます。裏面には左下に自分の部署名とフルネームを記載します。
- 折り方と入れ方:用紙は文字が内側になるように三つ折りにします(下から1/3を折り上げ、その上から1/3を折り下げる)。封筒の裏側から見て、三つ折りの右上部分が封筒の開口部上側に位置するように差し込みます。手渡しの場合は糊付け不要ですが、郵送する場合は糊付けし、中央に「〆」の封字を記します。