年賀状の一言を書き進める際、多くの人が良かれと思って使ってしまう言葉の中に、相手を不快にさせる地雷が潜んでいます。とりわけ正月はおめでたいハレの日であるため、古くから言葉の持つ霊力(言霊)や縁起を重んじる文化が色濃く残っています。知らず知らずのうちにマナー違反を犯さないよう、代表的な落とし穴を把握しておく必要があります。
最も典型的なミスが「去年」という言葉の使用です。「去年はお世話になりました」と書いてしまいがちですが、「去」という漢字には「去る・別れる・死ぬ」といった不吉な意味が含まれます。年賀状では必ず「昨年」あるいは「旧年中」と言い換えるのが鉄則です。
また、別れや衰退、不幸を連想させる「忌み言葉」の混入にも厳重な警戒が求められます。お祝いの席にふさわしくない語彙を無意識に使わないよう、事前のチェックが欠かせません。
【避けるべき年賀状NGワード・忌み言葉一覧】
- 別れ・断絶を想起させる語:去る、切れる、落ちる、離れる、終わる、絶える、消える
- 衰退・不吉を想起させる語:倒れる、枯れる、破れる、滅びる、衰える、病む、痛む
- 不運・喪失を想起させる語:失う、亡くす、負ける、欠ける、流れる、潰れる
さらに、デザイン面ですでに「あけましておめでとうございます」と印刷されているにもかかわらず、手書きの添え書きで再び「明けましておめでとうございます」と書く「賀詞の重複」も稚拙な印象を与えます。同様に、「1月1日 元旦」という表記も誤りです。「元旦」という言葉自体が「1月1日の朝(日の出)」を指すため、「1月1日の1月1日の朝」という二重表現になってしまいます。日付を入れる場合は「令和八年 元旦」または「2026年 1月1日」とするのが正しい作法です。