SNSや料理コミュニティでは、毎日のように「きゅうりの水没事故」に関する悲鳴が上がっています。「せっかく作ったポテトサラダが翌朝になると底から水が出てマヨネーズが分離していた」「きゅうりを千切りにしてドレッシングをかけたら、食卓に出す頃にはしなしなになっていた」といった失敗談は枚挙にいとまがありません。
都内の有名洋食店チーフシェフや調理専門学校の講師陣への現場取材によると、このトラブルの原因は「塩もみの後の絞り加減」とサラダにおけるきゅうりの塩もみのタイミングの誤認にあると口を揃えます。
「多くの方が、塩を振ってから放置しすぎています。塩もみの目的は、浸透圧を利用して細胞組織を壊さずに余剰な自由水だけを排出することです。塩分濃度1.5%(きゅうり1本100gに対して塩1.5g)で揉んだら、放置時間は5分〜8分で十分。それ以上放置すると、ペクチンが分解されて細胞壁そのものが軟化し、ゴムのような不快な食感に劣化してしまいます」(都内ビストロ料理長の手記より)
さらに現場で徹底されているのが、「ペーパータオルによる2重脱水」です。手でギュッと雑巾のように絞ると、薄切りにしたきゅうりの断面が破壊され、再びそこから水分が漏れ出します。正解は、清潔な布巾や厚手のキッチンペーパーで包み、手のひら全体で均等に圧力をかけて優しく水分を押し出す手法です。この一手間だけで、ポテトサラダの保水力は格段に安定します。