本作が「第10回 ananマンガ大賞」準大賞や「マンガ大賞2022」ノミネートなど、批評家・読者双方から極めて高い評価を受け続けている背景には、何があるのでしょうか。SNSや大手レビューサイトに寄せられた膨大な口コミを分析すると、一般的な少女漫画や恋愛ドラマとは明らかに異なる読者層の反響が見えてきます。
最も多く見られるのは、「朋子の生きづらさに自分を重ねて涙が止まらなくなった」という20代後半から40代女性の声です。職場で嫌な仕事を押し付けられても断れず、同僚からのセクハラまがいの言動に作り笑いで返す朋子の姿は、現代社会で摩擦を避けて生きる多くの社会人の肖像そのものです。読者からは次のような切実な投稿が寄せられています。
「『嫌なら嫌って言えばいいじゃん』と怒るのではなく、『パンちゃんは悪くない』と肯定してくれた上で、どうすればいいかを一緒に考えてくれる遼平の存在が眩しすぎる」(30代会社員・レビュー投稿より)
「ヤンキーとOLの恋愛と聞いて最初は敬遠していたけれど、読んでみたらメンタルヘルスの教科書だった。相手を変えようとせず、そのままの自分を認めてもらえることがどれほど救いになるかを思い知らされた」(20代後半・SNS投稿より)
男性読者からの支持が厚い点も本作の際立った特徴です。「不器用ながらも大切な人を守ろうとする遼平の誠実さに男として憧れる」「男が抱える弱さやプライドの処し方が生々しく描かれている」といった意見が多く、性別を超えたヒューマンドラマとして定着しています。映画レビューサイトやFilmarksにおけるドラマ版の評価も平均★4.1以上の高水準を維持しており、一時的なブームにとどまらないロングセラーの強さを見せています。