1987年に発売され、日本のビール市場を根底から変えたアサヒ「スーパードライ」。その初代CMキャラクターに抜擢されたのが落合信彦氏でした。
荒波が打ち寄せる海岸や異国の都市を背景に、トレンチコートの襟を立てて語りかける映像は、日本の広告史に残る金字塔となりました。「この辛口が、生きている。」というキャッチコピーと落合氏の研ぎ澄まされた佇まいが見事にマッチし、ビールの爆発的ヒットを牽引したのです。
一方で、そのドラマチックすぎる取材手法や情報源をめぐっては、後年にジャーナリズム論争や検証企画が巻き起こることもありました。しかし、ノンフィクションとエンターテインメントの境界を切り拓き、国際政治の緊迫感をエンタメ級の熱量で大衆に届けた功績と影響力は、誰にも否定できない事実です。