ネット検索を行うと、「乳飲料 体に悪い」「薬品まみれ」「飲むな」といった刺激的な言説が散見されます。この不安を煽る情報の真相はどこにあるのか、客観的なファクトをもとに検証します。
乳飲料が槍玉に挙げられる主たる理由は、原材料表示に含まれる「食品添加物」です。特に以下の2点が懸念の材料として拡散されやすい傾向にあります。
- リン酸塩(pH調整剤や乳化剤として使用):過剰摂取すると骨のカルシウム吸収を阻害すると主張されるケース。
- 人工甘味料・果糖ブドウ糖液糖:嗜好品系の乳飲料に含まれる糖質による肥満や血糖値スパイクの懸念。
しかし、厚生労働省の安全基準に基づき認可されている添加物の量は、日常的に飲用する量で健康被害が出るレベルからは遥かに遠い微量です。日本乳業協会のデータでも、日本人が通常の食生活で摂取するリン酸塩が直ちに健康を損なう恐れはないことが示されています。
一方で、見逃せないメリットも存在します。多くの白物乳飲料(白いパッケージの機能性乳飲料)には、通常の生乳よりも多くのカルシウムやビタミンD、鉄分が意図的に添加されています。牛乳コップ1杯(200ml)のカルシウム量が約220mgであるのに対し、強化型の乳飲料では1杯で約350〜400mgを補給できる製品も少なくありません。
「乳飲料=体に悪い人工物」と短絡的に切り捨てるのは、科学的根拠を欠いた認知バイアスに過ぎません。警戒すべきは「体に悪いかどうか」ではなく、「糖分過多の嗜好品乳飲料を、健康に良いと信じ込んで日常的に過剰摂取してしまうリスク」なのです。