皇位継承の議論を進めるうえで、最も頻繁に混同されるのが「女性天皇」と「女系天皇」の決定的な違いです。この2つの概念を正確に整理することが、皇室典範改正の議論を理解するための第一歩となります。
現行の皇室典範第1条は、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と厳格に規定しています。この条文に定められた「即位の条件」を満たす資格を持つのは、現状では秋篠宮文仁親王殿下、悠仁親王殿下、そして常陸宮正仁親王殿下のわずか3方のみです。
ここで重要なのは、愛子内親王が即位される場合は「女性天皇(男系女子)」に該当する点です。父方が天皇の血を引く女性の即位は、古代から江戸時代にかけて推古天皇や持統天皇、後桜町天皇など歴史上8方10代の確固たる先例が存在します。一方で「女系天皇」とは、母方のみが天皇の血筋を引き、父方が民間人など皇統に属さない系統の天皇を指します。日本の歴代126代において女系天皇が即位した先例は一度もありません。「愛子天皇が誕生すると皇統の伝統が完全に崩壊する」という言説は、男系女子である女性天皇と女系天皇の定義を取り違えた典型的な誤解です。