日本マクドナルドの歴史上、最も深刻な打撃を与えたのが2014年7月に表面化した期限切れ鶏肉問題です。中国・上海のテレビ局による潜入取材で、米食品加工大手OSIグループ傘下の「上海福喜食品」が、消費期限を大幅に過ぎた変色・悪臭を放つ鶏肉を再加工し、出荷していた実態が白日の下に晒されました。
青白く変色したいわゆる「緑色の肉」を従業員が素手でラインに戻す衝撃的な映像は日本国内でも大々的に報じられ、ファミリー層を中心に激震が走りました。日本マクドナルドは当時、チキンマックナゲットの原材料の約2割を同工場から輸入していたため、即座に対象商品の販売休止とタイ産工場への切り替えを発表せざるを得なくなりました。
この事件の本質は、単なる一サプライヤーの不正にとどまらず、海外調達先への監査体制の甘さや、コスト優先のサプライチェーン構築に対する消費者の不信感を決定づけてしまった点にあります。