Q1:自筆証書遺言で「一切の財産を長男に相続させる」と書くだけで法的に通用しますか?
A1:法的には有効です。全文自書・正確な日付・署名・押印の形式要件を満たしていれば、「一切の財産」という表現で預貯金や不動産を含む全資産が長男に承継されます。ただし、後日の紛争を防ぐため、遺言執行者の指定および付言事項を添え、法務局の保管制度を利用するか公正証書遺言にしておくことが強く推奨されます。
Q2:全財産を妻に遺す遺言を書いた場合、子どもの遺留分請求を完全に封じることはできますか?
A2:遺言者の意思だけで遺留分請求を一方的に封じることは法的に不可能です。子どもの遺留分は法律上保護された正当な権利です。ただし、生前に子どもと話し合い家庭裁判所で「遺留分放棄」の許可を得るか、遺言書の付言事項で真意を伝えて納得を促すこと、または生命保険を活用して妻が支払う遺留分原資を用意しておくことで実質的な紛争化を防ぐことが可能です。
Q3:法務局の遺言書保管制度を利用すれば、公正証書遺言は作らなくても大丈夫ですか?
A3:法務局の保管制度は「形式の不備(日付や署名の漏れなど)」や「紛失・改ざん」を防ぐ点では極めて優秀ですが、法務局員が作成時の遺言能力(認知症の有無)や遺言内容の実質的な妥当性まで保証してくれるわけではありません。将来的に遺言無効を巡る裁判リスクが懸念される「全財産相続」のようなケースでは、公証人が面談確認を行う「公正証書遺言」の方が証拠力において圧倒的に優位です。