エヴァンゲリオン展の最大の魅力は、なんといっても画面越しでは決して味わえない「生の筆致と制作の息遣い」を体感できる点にあります。会場内は作品の年代順にエリアが構成されており、セル画時代の手描き原画から、最先端の3DCGとデジタル作画が融合した新劇場版シリーズのレイアウトまで、制作プロセスの進化を体系的に追体験できます。
特に注目すべきは、総監督・庵野秀明氏をはじめ、貞本義行氏、摩砂雪氏、鶴巻和哉氏といったトップクリエイターたちが残した修正指示のメモやレイアウト原図です。鉛筆の濃淡や消し跡、欄外に走り書きされた演出意図のコメントからは、ワンカットにかける凄まじい執念がダイレクトに伝わってきます。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のクライマックスシーンを描いた初公開の原画展示エリアでは、立ち止まって細部まで食い入るように見つめる来場者の姿が絶えません。
さらに、劇中の名シチュエーションを再現した大型立体モニュメントや、緻密に計算されたライティング演出も見逃せません。作品の世界観に深く没入できるよう音響設計にも工夫が凝らされており、展示空間そのものが一つの巨大なインスタレーションとして機能しています。