業務用の高火力バーナーがない家庭のキッチンでも、いくつかの物理法則さえ押さえれば、驚くほど軽やかな炒飯を焼き上げることができます。最も重要なのは、機材のパワー不足を補うための下準備と温度管理です。
まず見直すべきは冷やご飯か温かいご飯かという選択です。冷蔵庫から出したばかりの冷たいご飯はデンプンが老化(β化)して硬く締まっており、フライパンの熱を一気に奪ってベタつきの引き金になります。必ず電子レンジで湯気が立つ程度まで温め、余分な湿気を軽く飛ばしてから使用するのが鉄則です。
家庭用のテフロン加工フライパンで作る場合、抑えておきたいフライパンの火力とチャーハンのコツは以下の通りです。
フライパンをしっかりと中強火で予熱し、大さじ1杯半ほどのサラダ油(またはラード)を行き渡らせます。溶き卵を投入したらすぐにかき混ぜず、周囲がフチから立ち上がってきた瞬間に温かいご飯を中央へ投入します。ここでフライパンを煽ってはいけません。家庭用コンロで鍋を振ると熱源から離れて温度が急激に下がるため、フライパンはコンロに密着させたまま、木べらやシリコンスプーンで切るように手早くほぐすのがプロ直伝の技法です。