栗原類さんのキャリアにおいて特筆すべき転換点は、2014年のパリ・コレクション出演です。当時19歳だった彼は、世界的なトップブランド「Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)」のメンズコレクションのオーディションに単身で乗り込み、見事にランウェイモデルの座を勝ち取りました。
当時、日本のバラエティ番組では「ため息をつくネガティブキャラ」としていじられることが多かった彼ですが、パリの舞台で見せたウォーキングは、研ぎ澄まされた集中力と服の魅力を最大限に引き出す圧倒的な静寂を宿していました。現場を目撃した海外ジャーナリストからも「東洋と西洋の美意識が溶け合った神秘的な存在感」と高評価を受けたのです。
その後、彼の情熱は演劇の世界へと注がれていきます。映画『ルパンの娘』シリーズで見せた引きこもりの探偵・巻栄一役のような癖の強いキャラクターから、シェイクスピアをはじめとする古典戯曲の重厚な舞台まで、着実にキャリアを積み上げてきました。台本を徹底的に読み込み、舞台演出家の要求に対して一切の妥協を許さないストイックな稽古姿勢は、演劇界の演出家や共演者の間でも広く知られています。