「味噌煮込罠」という強烈なインパクトを残す屋号を目にしたとき、多くの人がその意味に興味を抱きます。読み方は「みそにこみ・わな」ではなく、リズミカルに「みそにこみん」と読ませます。この独特なネーミングの根底には、「訪れた客が一度食べたらその深い旨味の罠(わな)に囚われ、二度と抜け出せなくなるほどの感動を味わってほしい」という店主の熱烈な情熱が込められています。
創業者が目指したのは、東京向けに過度なアレンジを施して無難にまとめた妥協の一杯ではありませんでした。愛知県名古屋市で長年培われてきた質実剛健な郷土食のアイデンティティをそのまま東京・本郷に持ち込み、本物の味で真っ向勝負を挑むという覚悟が、親しみやすさと毒気を併せ持つ「罠(みそにこみん)」という屋号に凝縮されています。
開業以来、その看板に偽りなしと証明するかのように、東京大学の学生や近隣のビジネスパーソン、遠方から足を運ぶうどんマニアたちが次々とその魅力の深みに足を踏み入れてきました。看板を目印に階段を降り、地下の引き戸を開けた瞬間から、計算され尽くした味覚のトラップが待ち構えています。