ネット上の掲示板やSNSでは長年、「パニック障害は開き直ったら治った」という言説が飛び交っています。一見すると非科学的で無責任なアドバイスのように受け取られがちですが、近年の認知行動科学および森田療法の理論に照らし合わせると、このパニック障害 開き直りで治る真相には極めて合理的な神経心理学的根拠が存在します。
実際に、過去に重度の広場恐怖症を併発していた30代女性の手記には、次のような生々しい転換点が記録されています。
「満員電車の中で急激な動悸に襲われ、途中の駅で降りようとドアに手をかけた時、ふと『毎回こんなに怯えて途中下車して、私の人生は何なんだろう』と猛烈な怒りと疲労感が湧いたんです。その瞬間、『もうどうにでもなれ。ここで倒れて気絶するならしてみろ』と吊り革を握りしめ、目を閉じて動悸をそのまま放置しました。すると、いつもなら過呼吸に発展していた激痛のような恐怖が、わずか7〜8分でスーッと引いていった。あの時、『発作が起きても死なない』と身体感覚で理解できたことが、予期不安を克服するきっかけになりました」
パニック発作の持続時間は、生物学的にはアドレナリンの血中半減期の影響により、長くても20〜30分程度で自然に収束します。「開き直り」とは、恐怖を消し去ることではなく、「恐怖に抵抗しないこと」です。抵抗をやめた瞬間に恐怖のフィードバック回路が切断され、扁桃体が「脅威は去った」と誤作動を収めるのです。