ネット上の身内ノリに留まっていたこの言葉が、社会問題として公の場で厳しく問われる契機となったのが、2020年7月に発生した大手ゲームメーカー幹部による舌禍事件でした。
株式会社セガの取締役チーフ・クリエイティブ・オフィサー(当時)を務めていた名越稔洋氏が、公式生放送番組「セガなま」内で、eスポーツ大会「ぷよぷよチャンピオンシップ」に出場したプロゲーマーの印象について「チーズ牛丼食ってそうな感じ」と発言。これが瞬く間に切り抜かれ、ネットメディアやニュース番組で大々的に報道されました。
公式の立場にある上場企業の役員が、自社コンテンツを支える真面目な競技選手に対して侮蔑的なスラングを用いたことに対し、国内外から猛烈な批判が殺到。セガ側は生放送のアーカイブを非公開化し、名越氏本人が後日の配信で「大変申し訳ありませんでした。選手に対して失礼極まりない発言だった」と深々と頭を下げて謝罪する事態へと発展しました。
この炎上劇は、「ネット上のスラングだから許される」という甘えが通用しない現実社会のモラルを強く印象づけ、容姿や内向的な人物像に対する侮蔑的ラベリングの危険性を社会全体に認識させる大きな分水嶺となりました。