「少年自然の家は学校の団体しか泊まれないのではないか」という疑問を抱く方は少なくありません。公式発表資料および施設利用規約によると、茨城県立さしま少年自然の家の一般利用は公式に認められており、家族単位や社会人グループ、子ども会などの一般団体でも宿泊・日帰り利用が可能です。ただし、地方自治体が設置する社会教育施設であるという大原則のもと、利用目的が「青少年の健全育成や自然体験活動であること」が前提条件に据えられています。
利用者を最も驚かせるのが、民間施設では到底あり得ないさしま少年自然の家の宿泊料金の安さです。茨城県の条例に基づく公的料金体系が適用されるため、宿泊料自体は県内・県外利用者の区分や年齢層によって設定されているものの、青少年の基本宿泊料は数百円程度、一般成人でも極めて廉価な施設使用料(シーツ等リネン代を含む)で滞在できます。冷暖房費や備品使用料を合算しても、家族4人で1泊して数千円台に収まるケースが珍しくありません。
なぜこれほどの破格で運営が成り立っているのか。その理由は、営利を目的としない茨城県の教育振興予算によって施設維持が支えられている点に加え、清掃やベッドメイキング、食事の配膳・下膳といった管理コストの大部分を利用者自身のセルフサービスによって賄っているからです。「お金を払って至れり尽くせりのサービスを受ける」のではなく、「公共の場を自らの手で整えて共同生活を学ぶ」という教育施設の構造そのものが、驚異的な低価格を実現させている背景にあります。