風景の変貌を決定づけるのが、行政とデベロッパーが強力に推進する「新御徒町駅周辺地区市街地再開発事業」の本格稼働だ。老朽化した木造密集住宅の解消と防災機能の強化を掲げるこのプロジェクトには、小池百合子都知事が進める国際競争力強化とスマートシティ構想の影が色濃く落ちる。
さらに注目を集めているのが、街のランドマークとなる新複合施設のデザイン監修に世界的建築家・隈研吾の息吹が取り入れられる点だ。ガラスと鉄骨で固められた無機質なタワーではなく、地域に伝わる伝統工芸や木工の文脈を再解釈したファサードが計画されているという。資本の論理で塗りつぶされがちなメガ開発の中で、下町のクラフトマンシップをどこまで現代建築へ昇華できるのか。都市デザインの試金石としても業界内の耳目を集めている。