「確実な日時予知」は不可能である一方、先端テクノロジーを活用した「発生確率の上昇検知」は着実に進化を遂げています。その中心にあるのが、国土地理院が日本全国約1,300か所に展開する電子基準点網(GEONET)を用いたプレート境界の歪みデータの精密計測です。
GNSS(高精度衛星測位)によって地殻が年間数センチメートル単位でどちらへ動いているかをリアルタイム監視し、プレート同士が固着してエネルギーを溜め込んでいるエリアを可視化。さらに近年では、人間には感知できない極めてゆっくりとした断層のズレである「スロースリップ(ゆっくりすべり)」や低周波微動の発生状況を常時追跡する体制が強化されています。
また、AI地震予測の最新研究も急速な進展を見せています。過去数十年間に蓄積された膨大な微小地震の波形データ、地殻歪み、電磁気的ノイズをディープラーニングで解析し、「通常とは異なる統計的異常パターン」を自動検知する試みが東京大学や京都大学、防災科学技術研究所などで進行中です。これにより、「明日起きる」と断言することはできずとも、「今後数日〜数週間の間で活動度が通常の数倍に高まっている」といった確率的ハザードマップを即時更新する実用化研究が進められています。