モルタルとセメントは何が違う?Diyで失敗しない配合比と強度の真相

モルタルとセメントは何が違う?Diyで失敗しない配合比と強度の真相

モルタルとセメントは何が違う?Diyで失敗しない配合比と強度の真相とはどんな影響があるのか? 背景や要点を簡潔に解説します。

DIY初心者が抱く最大の誤解に、「セメントだけで固めれば、余計な砂が入っていないぶん最強に硬くなるのではないか」という思い込みがあります。しかし、これは材料工学的に完全な間違いです。

セメント粉末に水だけを加えたものを業界用語で「ノロ」または「セメントペースト」と呼びます。このペースト単体は、硬化する過程で凄まじい体積収縮(自己収縮および乾燥収縮)を起こします。骨格となる砂や砂利が存在しないため、引張応力に耐えきれず、乾燥とともに蜘蛛の巣状の激しいクラックを起こしてバラバラに粉砕してしまいます。砂という「伸び縮みしない骨材」を混ぜて初めて、モルタルは形状と強度を維持できるのです。

さらに、多くの施主が直面するモルタルひび割れ原因と真相には、乾燥収縮のほかに構造的な熱膨張収縮、下地の挙動、そして急激な水分喪失(ドライアウト現象)が絡み合っています。施工直後の強い直射日光や乾燥した風によって下地や大気に水分を奪われると、セメントの水和反応が途中で停止し、硬化不良を起こして指でこするだけでボロボロと崩れる現象が起きます。

また、モルタル外壁耐久年数は下地構造を含めると30年以上の長寿命を誇りますが、これは適切なメンテナンスを施した場合に限られます。モルタルそのものには防水性能がほとんどなく、表面を覆う塗装塗膜によって風雨を防いでいます。塗膜の防水性が切れる8〜10年スパンで再塗装を怠ると、ヘアークラックから雨水が侵入し、内部の構造合板やラス網(金属メッシュ)を腐食させる連鎖崩壊を引き起こします。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。