本科4年間のカリキュラムを修了したあと、真の試練が訪れる。専攻科に進学した実習生たちが乗り込むのが、伝統ある練習船こじまだ。約3ヶ月に及ぶ世界一周の遠洋航海実習は、将来の指揮官たちにとって避けては通れない通過儀礼である。
携帯の電波も届かない大洋のど真ん中で、荒狂う波に揉まれながら当直勤務と操船訓練を繰り返す。見渡す限りの水平線、逃げ場のない閉鎖空間、蓄積する疲労。精神と肉体が限界に達したとき、人はどのように同僚と支え合い、正しい判断を下せるのか。過酷な航海を終えて呉の港へ帰港した実習生たちの顔つきは、旅立つ前とはまるで別人のように引き締まっている。