法律上の区分を決めるのは情緒ではない。冷徹な法文だ。酒税法および国税庁が定める厳格なガイドラインによって、アルコール飲料は使用できる副原料の種類と重量比率が細かく縛られている。
ビールと名乗るためには、麦芽比率だけでなく副原料の総重量が麦芽の5%以内に収まっていなければならない。使用可能な原材料も米やトウモロコシ、果実、特定の香味料などに限定される。この枠組みを1ミリでも外れれば、いくら麦芽を贅沢に使っていようとも税法上は「発泡酒」のラベルを貼られることになる。だが、この制約こそが皮肉にも醸造家のクリエイティビティを刺激した。枠外に飛び出した発泡酒は、型破りな副原料によって伝統的ビールの枠組みすら軽々と凌駕する表現力を手に入れている。