当然ながら、検索窓に名前を打ち込めば不穏なサジェストキーワードが並ぶ状況は今も変わらない。過去の活動履歴や真偽不明のスクリーンショットを元にした動画が、アルゴリズムの波に乗って再生数を稼ぐ現象も日常茶飯事だ。
だが、近年のファンコミュニティの反応には明確な変化が見られる。プライバシーを暴こうとする過度なゴシップ投稿に対して、ファン自身が「作品の価値を損ねるノイズ」としてスルーし、報告・非表示処理を行う自浄作用が定着しつつある。素顔を隠すこと自体が表現の核である以上、それを暴く行為はアーティストの美学に対する非礼であるという共通認識が形成されているのだ。