深夜2時。静まり返った住宅街のなかで、一角だけが温かい光を放っている。ネオンが薄っすらと濡れたアスファルトを照らす光景は、どこかノスタルジックでありながら、どこまでも現代的だ。
ナイトタイムエコノミーの活性化が叫ばれて久しいが、大層なイベントや派手なクラブカルチャーばかりが夜の顔ではない。深夜に安心して汗を流し、温かい出汁を口にして人心地をつける場所。それこそが、都市の夜を底から支える真のインフラだ。始発を待つ若者も、夜勤明けで疲れ切った身体を休める作業員も、ここでは等しく一人の「お湯を愛する人間」に戻る。