広島の高校野球界に起きている地殻変動。その中心地こそが福山市だ。
これまで広島県の高校野球は、全国区の知名度を誇る広陵や、近年安定した強さを誇る広島新庄が牽引してきた。しかし、2020年代半ばに入り、その構図に変化が生じている。福山市内の高校が県大会の準々決勝、準決勝へと当たり前のように進出し、王者たちを極限まで追い詰める場面が急増したからだ。
背景には、地元中学野球のレベル底上げと、福山地区内での強固な育成ネットワークが存在する。シニアやボーイズといった中学硬式野球のクラブチームから、地元に残って甲子園を目指す有望な選手が増加。遠方の強豪校へ流出していた才能が福山にとどまり、地域全体で自前の強化を図るサイクルが完璧に機能し始めた。