静寂に包まれた冬の男鹿半島。2月に開催される「なまはげ柴灯(せど)まつり」は、神事の荘厳さと民俗芸能の力強さが融合した唯一無二の夜だ。雪がしんしんと降り積もる真山神社の境内、赤々と燃え盛る篝火(かがりび)の周りを、鬼の面をつけた「なまはげ」が乱舞する。
「ウォー」という咆哮が雪空に響き渡る瞬間、誰もが肌に粟を生じるような衝動を覚えるだろう。悪事や怠け心を戒め、無病息災を祈るこの行事は、ユネスコ無形文化遺産にも登録された本物の奇祭。単なる見学ではなく、極寒のなかで炎の温もりを感じながら祈りを共にする体験は、一生の記憶に残るはずだ。