染色体は、DNA(デキオシリボ核酸)がヒストンというタンパク質に巻き付き、極限まで折り畳まれた構造体だ。顕微鏡で観察すると、まるで「X」のような形をした棒状の物質として観察できる。
もし、細胞の中にあるDNAをすべて一本の紐に引き伸ばしたとしたら、その長さは約2メートルにも及ぶ。顕微鏡でしか見えない微小な細胞核の中に、これほど長い紐をそのまま押し込むことは物理的に不可能だ。だからこそ、細胞はDNAをコンパクトに畳み込み、染色体という形で整理整頓している。言わば、引っ越しの時に散らかった書類を段ボール箱にきれいに詰めるような作業が、細胞内で常に行われているのだ。