ネット上のQ&Aサイトや掲示板などでは、時折「宇宙空間とはいえ、脚部を廃止してブースターにしたのはMSとしての格闘性能やAMBAC(能動的質量移動による姿勢制御)を捨てた欠陥設計ではないのか」という論争が見受けられます。しかし、これは作中の運用ドクトリンと宇宙世紀の兵器体系に対する誤解に基づいています。
設定資料を緻密に紐解くと、ブースター・ユニット装着型が投入されたミッションは、拠点防衛網を突破して敵重要施設や旗艦へ肉薄し、一撃で大打撃を与えて瞬時に戦域を離脱する「超長距離強襲作戦」です。ドッグファイトのような近接格闘戦は最初から想定されていません。
さらに、大推力のベクタードスラスター(推力偏向ノズル)を高度なAIであるALICEシステムがミリ秒単位で姿勢制御するため、質量移動によるAMBACよりも高速かつ強引に機首を目標へ向けることが可能となっています。つまり、人型としての汎用性を大胆に切り捨てた代わりに、特定ミッションにおける生残性と突破力を極限まで高めた合理的な特化形態というのが真の設定意図です。