自民党総裁選挙の根幹を成すのは、国会議員票と全国の党員・党友票(地方票)を組み合わせた二層構造の投票システムです。任期満了に伴う通常の総裁選挙では、自民党所属の国会議員1人につき1票が割り振られると同時に、それと同数の票が全国の有権者党員に比例配分されます。
ここで極めて重要になるのが、第1回投票で過半数を獲得する候補が出なかった場合に発動される決選投票のルールです。第1回投票では議員票と党員票の割合が「1対1」の対等な比率であるのに対し、上位2名による決選投票では、都道府県連各1票(計47票)を除く大半が国会議員票へと一気に収斂します。この急激なパワーシフトこそが、世論調査での支持率トップが党内枢要ポストを握る長老勢力の結託によって弾き飛ばされる「逆転現象」を構造的に誘発しています。
さらに、出馬の必須条件である推薦人20人の要件が極めて重い足枷となります。どれほど国民的人気が高くても、国会議員20人の実名署名を集められなければスタートラインにすら立てません。過去の特番インタビューや引退した有力政治家の自著でも「推薦人を貸す・借りるという駆け引きの中で、すでに政策の純化は失われ、妥協の連鎖が始まる」と赤裸々に語られており、立候補の段階で強固な党内パイプが不可欠となる設計です。