ネット上やSNSでは、目の痒みや不快感に関して医学的根拠の乏しい誤った対処法が散見されます。それらを信じて実行すると、かえって症状を悪化させる危険性があります。
典型的な誤解の一つが、「目に入ったゴミや花粉は、目を強く擦って涙で流せば良い」という説です。目の中に異物が入った状態で擦る行為は、研磨剤(異物)を角膜に擦り付けてヤスリをかけているのと同じ状態を作ります。これによって角膜に深い傷が刻まれ、重度の角膜びらんを発症するケースが頻発しています。
また、「痒いときは水道水で目をパチパチ洗えば清潔になる」という洗眼習慣も大きな盲点です。水道水に含まれる塩素は角膜上皮を傷つけるだけでなく、目を保護している大切な「涙の油層・ムチン層」を洗い流してしまいます。結果としてドライアイを劇的に悪化させ、バリア機能を完全に崩壊させてしまいます。
さらに、市販のクール系目薬の乱用にも注意が必要です。強い清涼感は一時的に痒みを麻痺させますが、血管収縮剤が含まれている製品を長期連用すると、薬効が切れた際にリバウンドで血管が拡張し、慢性的な充血と炎症を引き起こす要因となります。痒みの根源を叩くには、血管収縮剤に頼るのではなく、抗アレルギー作用を持つ適切な成分を選択しなければなりません。