タウンフロントからテラスマーケットに至る広大な敷地では、時代ごとのライフスタイルの変化に呼応するように空間のアップデートが繰り返されてきた。現地を歩くと、従来の物販中心の構成から、体験と心地よい滞在に重きを置いたフロア構成へのシフトが顕著だ。特に注目すべきは、環境志向とローカルクラフトにスポットを当てた期間限定ショップや、都内初進出となるライフスタイル提案型のフラッグシップストアの存在である。
地下の東急フードショー周辺では、オーガニックなデリカテッセンや少量生産の焼き菓子を扱う新興ブランドが独自の存在感を放つ。大量消費の時代から一歩距離を置き、「ここにしかない日常の贅沢」を求める層に向けたセレクトが際立つ。平日の昼下がりであっても、手仕事を大切にするクラフトストアの前には熱心に商品のストーリーを聞き入る客の姿が絶えない。
オープンテラスと一体化したカフェエリアでも、単なる飲食にとどまらない取り組みが始まっている。店内焙煎にこだわるスペシャリティコーヒー店や、地域コミュニティと結びついたワークショップ併設型の店舗など、長居すること自体が目的となるような居心地の良さが追求されている。