2023シーズンに古巣セレッソ大阪へ12年半ぶりに復帰して以降、香川真司が見せているパフォーマンスはJリーグ全体の戦術水準を一段引き上げたと言っても過言ではありません。20代前半に見せていた俊敏なターンやアジリティ任せのプレーから脱却し、現在はボランチ(インサイドハーフ)の位置からゲーム全体をコントロールするコンダクターへと役割を再定義しています。
欧州の晩期、PAOKテッサロニキやシント=トロイデン在籍時には足首の負傷や出場機会の減少から、ネット上や一部メディアで「引退間近ではないか」という憶測が飛び交いました。しかし、本人が公の場や取材で語り続けてきたのは「サッカーを心から楽しみ、ピッチ上で違いを見せることへの渇望」でした。
セレッソ大阪のトレーニング現場や公式戦において、香川がボールを受けるだけで周囲のリズムが整い、味方のプレースピードがワンランク上がる光景は日常茶飯事となっています。チームの若手選手が「真司さんの一本のパスでピッチの景色が一変する」と口を揃える通り、数字に表れにくい「試合の流れを操る力」において、現在も国内トップクラスの実力を誇っています。