『ノーゲーム・ノーライフ』の原作ライトノベルを手掛けた榎宮祐が紡ぎ出す、智謀と心理戦が交錯する圧倒的な世界観。それに真っ向から挑む形で制作されたのが「This game」だった。当時、若き天才ボーカリストとして期待を一身に背負っていた鈴木このみに対し、制作陣が求めたのは「極限の緊張感と、絶対に諦めない意志の強さ」の表現だったという。
楽曲制作の背景には、従来の型にはまらないアプローチが存在した。コンポーザーとヴォーカリストが激しい意見交換を重ね、作品の世界観である「一切の暴力を禁じ、すべてをゲームで決める世界」のスリルを、BPM140を超えるスピード感と目まぐるしい転調に落とし込んでいった。メディアファクトリーのスタジオで録音された初期デモの時点で、関係者はその完成度に息をのんだと語る。物語の深層と重なるメロディラインは、まさに原作への深い敬意と挑戦心から生まれた奇跡の産物だったのだ。