大喜利の回答陣が一新され、番組全体がフレッシュな空気をまとうたびに、ネットニュースやSNSでは「座布団運びもいよいよ交代か」という言説がまことしやかに囁かれる。高齢化や演出の刷新を理由にした降板説は、もはや風物詩とすら言えるかもしれない。
しかし、制作関係者の証言はその真逆を行く。大喜利の回答がどれほど鋭くとも、それを視覚的なリズムとして回収し、笑いを倍増させるクッション役は彼にしか務まらないからだ。舞台袖での気配り、回答者の心理状態を察知して座布団を運ぶスピード、転倒シーンで見せる驚異的な体幹。あの流れるような職人芸を即座に引き継げる後継者は、現実問題として見当たらない。
本人が舞台上で時折見せる「まだまだ譲りませんよ」という気迫に満ちたアドリブは、単なるギャグではなく、自負の表れでもある。番組サイドにとっても、彼がもたらす安定感と様式美は、激動の時代において視聴率を支える生命線に他ならない。