炊飯ボタンを押す前の「浸水」工程こそが、無洗米の旨味(甘み成分の生成)を引き出す最大の分岐点だ。水が米の芯まで十分に浸透していない状態で急速加熱すると、表面だけが過熱されてデンプンが糊化し、中心部に芯が残る不快な食感になってしまう。
理想的な浸水時間は、水温に大きく左右される。気温が高く水温も上がる夏場は「最少でも30分」、水温が下がる冬場は「最低1時間〜1時間半」の浸水が必要不可欠だ。急いでいる場合でも、40度程度のぬるま湯を使うのは厳禁。急激な温度変化は米の細胞壁を破壊し、旨味が外に逃げ出してしまうため、冷水(できれば冷蔵庫で冷やした水)を使ってじっくり浸水させるのが、2026年のミシュラン掲載店でも採用されているプロの常識である。