世界最大級の巨大な体に美しい冠羽を兼ね備えたこの猛禽類は、熱帯雨林生態系の頂点に君臨するシンボルだ。だが、現在野生下で生き残っている個体数は、推定でわずか約400ペア。繁殖速度が極めて遅く、2年に1度しか1個の卵を産まない生態も、個体数の急回復を阻む自然のハードルとなっている。
さらに現場を苦しめているのが、人間活動との直接的な衝突だ。送電線への接触による感電死、密猟者が仕掛けた罠への誤かかり、そして森林伐採による生息地の分断が日常的に発生している。現地で保護活動の陣頭指揮を執る専門家は「ただ森を護るだけでは足りない。周辺コミュニティの生活支援と理解がなければ、この鳥の未来は閉ざされる」と苦しい胸の内を明かした。