その歴史を辿ると、日本のエンターテインメント史を彩ってきた名作たちの存在が浮かび上がる。とりわけ集英社から刊行された数多の少女漫画作品は、切ないライバル像の美学を長年にわたり磨き上げてきた。王子様的な第一ヒロインの相手役に対し、常に一歩引いた場所でヒロインを優しく見守る男たちだ。
この構造を全国区のムーブメントへと昇華させた代表格が、TBSテレビで放送され大ヒットを記録した『花より男子』である。強引で俺様気質の主人公に対し、静かにヴァイオリンを奏で、危機をいつも救う花沢類の存在は、当時の視聴者を猛烈に二分させた。こうした当て馬キャラクターの系譜は、時代を超えて受け継がれてきたストーリーテリングの骨組みなのだ。