現代格闘技界における身体表現の対極として、しばしば引き合いに出されるのが平本蓮の存在だ。全身に鮮烈なタトゥーを刻み込み、欧米のヒップホップカルチャーやMMAスターのスタイルを全身で体現する平本。その攻撃的な自己主張は、アンダーグラウンドな熱狂を生み出す強力な武器となっている。
一方で、実弟である朝倉海とともにストイックなアスリート像を保ち続ける朝倉未来のアプローチは対照的だ。弟の海がUFCなどの世界最高峰を見据えて鍛え上げられたプレーンな肉体を誇るように、未来もまた「誰にでも受け入れられる最大公約数のカリスマ」としての身体を維持している。平本がタトゥーを通じて自らの尖ったエゴを世界に叩きつけるなら、朝倉未来は不要な装飾を削ぎ落とすことで、より広大なビジネスの荒野へ打って出たのだ。