日本の家庭料理界を長年牽引してきた料理研究家の栗原はるみ氏のレシピでも、素材本来の形や色合いを美しく活かす工夫が随所に凝らされている。ただ切り分けるだけでなく、お皿の上でどう魅せるかという美意識こそが、食事の満足度を高める重要な要素だ。
丁寧にスライスしたアボカドを少しずつずらして重ね、まるで花びらのように丸く仕立てる「アボカドローズ」は、今やヘルシーレシピの主役に欠かせない盛り付け技だ。繊細なカット技術が求められるこの盛り付けも、正確な刃入れと変色防止の知識があれば失敗することはない。マグロや豆腐といった和の食材と合わせる際も、断面の角がすっきりと立っているだけで、おもてなしの食卓にふさわしい上質な一品へと変貌を遂げる。