常滑の陶業史を語る上で欠かせない巨人が、伊奈初之丞・長三郎親子だ。帝国ホテル旧本館(フランク・ロイド・ライト設計)のスクラッチタイルやテラコッタの製作を手がけたことを契機に、彼らは1924年に伊奈製陶を創業。日本の住宅設備・建材産業における衛生陶器や外壁タイルの量産化を牽引した。
伊奈製陶の挑戦の歴史は、のちにINAXへと発展し、現在は株式会社LIXILの基盤技術へと受け継がれている。水まわりや建材の進化は、日本の住環境を劇的に衛生的にし、美しく変えてきた。このミュージアムは、そうした産業史のドラマを肌で理解できる貴重なアーカイブでもある。