冬の信州を語る上で外せないのが、温泉文化の奥深さです。千と千尋の神隠しの湯屋を想起させる木造建築美で知られる渋温泉・金具屋の宿泊予約は、冬のハイシーズンともなると数カ月前から満室が相次ぎます。特に登録有形文化財「斉月楼」や「大広間」のガイドツアー付き宿泊プランは競争率が高いため、宿泊希望日の3〜4カ月前の予約開始日当日に確保するのが確実です。
渋温泉の最大の魅力は、宿泊者だけに鍵が手渡される「九つの外湯めぐり」です。厄除けや美肌など効能の異なる湯を巡り、九番湯「大湯」で満願成就を祈願する体験は、極寒の外気と熱めの源泉が織りなす極上のコントラストを生み出します。
もう一つの名湯、野沢温泉の外湯めぐりのおすすめは、シンボル的存在である「大湯」をはじめとする13カ所の共同浴場です。地元住民の組織「湯仲間」によって徹底的に清潔に保たれており、寸志(感謝のチップ)を入れて入浴するのが古くからのマナー。湯上がりに温泉街で立ち上る湯気を見ながら熱々の野沢菜や温泉卵を味わう時間は、旅の満足度を最高潮に引き上げてくれます。