医療現場の聞き取り調査において顕著なのが、インターネット上の真偽不明な情報に起因する「不適切なセルフケア」による重症化です。特に「ステロイド軟膏を使うと皮膚が弱くなる」「保湿剤さえ塗っていれば自然に治る」という二大誤解は、治療を長期化させる最大の要因となっています。
赤みや小水泡、激しいかゆみが生じている急性炎症期にいくら保湿クリームやワセリンを重ね塗りしても、表皮深部で起きている免疫反応を抑えることはできません。むしろ、亀裂が生じた皮膚に添加物の多い保湿剤を塗布することで、二次的な接触アレルギーを誘発するリスクすらあります。
手の皮膚は角質層が約0.4〜0.6mmと体の中で最も厚いため、薬剤の経皮吸収率が腕の内側(基準値1.0)と比較して約0.83倍と低めです。そのため、炎症を鎮静化させるには、医師や薬剤師の指導のもとで患部の厚みや重症度に見合ったランク(ストロング〜ベリーストロング等)の外用ステロイドを短期間(5〜7日間)しっかり塗布し、完全に炎症を叩き切ることが医学的合理性に適っています。