検査結果が出た後、最も重要なステップは学校現場との連携です。WISC-Vの所見は、小・中学校や特別支援学校における「個別の教育支援計画」および「個別の指導計画」の策定、さらに法律に基づく「合理的配慮」の申請において強力なエビデンスとなります。
指標の凹凸に応じた具体的配慮と支援アプローチ
子どもの強み(高指標)を活かして弱み(低指標)を補う「補償戦略」を設計します。
- ワーキングメモリ(WMI)が低い場合:
- 口頭指示は1回につき1タスク(「机を片付けてからプリントを出して」ではなく、まず「机を片付けて」と伝える)。
- やるべきことを黒板の端やメモ用紙に可視化(チェックリスト化)する。
- 算数の計算では途中式や筆算のメモを消さずに残すことを認める。
- 処理速度(PSI)が低い場合:
- 板書をすべてノートに書き写す負担を減らすため、タブレット端末での撮影や要約プリントの配布を依頼する。
- テスト時間の延長、または問題量の削減(基礎問題に絞って解答させる)を検討する。
- 急かさず、自分のペースで作業を完了できる時間的猶予を確保する。
- 言語理解(VCI)が低く視空間(VSI)が高い場合:
- 言葉での長文説明を避け、イラスト、図解、実物の見本を提示して指示を伝える。
- スケジュールの進行を絵カードやタイムスケジュール表で視覚的に提示する。
- 視空間(VSI)が低く言語理解(VCI)が高い場合:
- 口頭でのステップごとの言語解説を重視する。
- マス目がはっきりしたノートや斜線付きガイド用紙を活用し、書字の空間認識を補助する。